【2019年イエローストーン紀行④】ツアー初日、時差ボケとの戦い

6時に朝食を摂り、チェックアウト。

時差ボケで意識は朦朧としています。
ホテルのバーで提供されている朝食は、ヨーグルトやサラダ、チーズなどのコンチネンタルブレックファストが基本形で、それに加えてメニューから温かい食べ物を追加オーダーしていく形になっていました。

果物・チーズ・ヨーグルトに卵を注文し、ぼんやりしながら紅茶を飲みました。
メニュー表の金額からして約14ドル+チップ くらいお支払いすればいいのだろうかとお会計を頼んだところ、コンチネンタルブレックファストの分(7ドルくらい)だけでいいわよ、と店員さんが言ってくださったのです。

流石にもう少し払いますと粘りましたが、「いいのよ、Happy Friday!」と片目をつぶって颯爽と厨房に行かれたので、チップを多目に払い、有難くお言葉に甘えました。

【2019年イエローストーン紀行③】旅の始まり(前日)

日本から、まずポートランド国際空港に飛びました。
片道約約8時間半で、到着後乗り継ぎまでの時間が約4時間。
お土産を買えるようなお店は余りありませんでしたが、フードコートには各国の食事が揃っていました。本を読んだり、メールチェックしたりしながら過ごしました。

その後飛行機を乗り継ぎ、ポートランド空港→ボーズマン空港へ(日本人含めアジア系は殆どいませんでした)。
約1時間半のフライトでした。

ボーズマン空港は初めて訪れましたが、バイソンの実物大の彫刻やハイイロガンの剥製らしきものが置いてあり、いよいよ国立公園に近づいているのだという高揚感を与えてくれる場所でした。
その後ホテルの送迎バスで初日の滞在先であるHilton Garden Inn Bozemanへ。
荷ほどきや明日以降の準備、メールチェックをしているうちにあっという間に夜になり、ホテルの1階のバーらしき場所で食事したのち、就寝しました。

【2019年イエローストーン紀行】イエローストーン冬の注意事項

冬のイエローストーンは別途書いたように非常に魅力が多いですが、一方で注意点があります。

・閉鎖される道路
→いくつかの道路が冬の間は毎年閉鎖されるそうです。今回利用した、タワールーズヴェルト~シルバーゲートに続く道路は、年間を通じてオープンしているそうです。

・ホテルが開いていない
→ルーズヴェルトロッジを始め、園内のホテルは殆ど秋から春にかけてお休みしています。
冬に行く場合は、事前にチェックしていく必要があります。

・車の制限
→園内に入れる車両に規制があります。雪が積もるのが大きな理由で、実際ツアー参加中も、乗っていたのは丈夫なバンでしたが、一度深い雪の中に埋もれ、他のツアーグループ含め10人がかりで物理的に手で押し、引っ張り出すという場面もありました。
そのため、出来れば冬は個人ではなく、ツアーで行ったほうが安全だと思います。

【2019年イエローストーン紀行】滞在したホテル/【2019 Yellowstone】Hotel

○Hilton Garden Inn Bozeman(ツアー前後泊)

URL:https://hiltongardeninn3.hilton.com/en/hotels/montana/hilton-garden-inn-bozeman-BZNGIGI/index.html

ツアー会社の方から、ツアー参加前と解散後のホテルとしておすすめされました。
空港との間で無料送迎バスを運行されていて、とても便利です。
ホテル自体はとても快適で、清潔でスタッフの方々もとてもフレンドリーで好印象でした。
ホテルの外で食事できるお店は近場に3箇所ほどありますが、行きも帰りもこのホテルのバー(?)を利用しました。約1,000円~、食事できます。朝食は確か6:00からです。コンチネンタル+温かい食事を選べます。
注意点:
・とても良いホテルですが、近くのスーパーまで雪道では徒歩15分~20分かかり、なおかつ余り日用品は売っていなかったです。
・ホテルと空港の往復の送迎バスは、事前に予約が必要です。

 

○Best Western by Mammoth Hot Springs

URL:https://www.bestwestern.com/en_US/book/gardiner/hotel-rooms/best-western-by-mammoth-hot-springs/propertyCode.27059.html

ツアーで初日に利用。「マンモス近くの」という名前のホテルですが、国立公園のすぐ外の小さな町、ガーディナーにあります。
ツアー参加者は、川沿いの別館に泊まりました。建物のすぐ外を川がごうごうと流れていて、夜は寒かったですが部屋の中は非常に暖かく、バス付きで快適でした。
注意点:
朝食付きで、本館の左隣についているレストランで食べることが出来ます。
朝・夕ともそこが一番近いレストランですが、真っ暗な中そこまで食べに行くのはかなり勇気がいりました。
朝食は6:30から。シリアルや温かい洋食が食べられます。

 

○Super 8 by Wyndham Cooke City

URL:https://www.wyndhamhotels.com/en-uk/super-8/cooke-city-montana/super-8-cooke-city-yellowstone-park-area/overview

ツアーで2泊利用。公園の外にある小さな町Cooke Cityの町はずれのホテルです。
テレビもついていて、快適なホテルではあります。
朝食は隣のビルのカフェで初日いただき、2日目はホテルの1階のカフェテリアスペースでパンやマフィン、バナナを各自いただきました。
注意点:
この町はWi-Fiしか通じない不思議な町で、ホテル以外での通信が困難でした。
レストランは何軒かあるのですが、夜と朝は真っ暗で移動にかなり勇気がいります。
また、場所によっては成人くらいの高さまで雪が積もっていて、足が滑りやすく注意が必要です。

【2019年イエローストーン紀行※番外編】こぼれ話/ツアー参加までの(若干の)トラブル

果たして日本から個人でアメリカのツアー会社のツアーに申込む人がどのくらいいるか分かりませんが、参考までに書いておきます。

今回のツアーは2月開催でした。
行こうと決心したのが1月の半ばというかなりぎりぎりの時期で、ツアー会社のサイトを見たところ、該当のツアーはまだ”Available”と書かれていました。
そこで問い合わせ先に、参加可能か確認のメールを送ったところ、「そのツアーは物理的に既にcloseされている」との返事が来ました。

“Close”というのが、「ツアーの開催を中止した」という意味なのか、「人数がいっぱいになったから締め切った」という意味なのか。
よく分からないまま、「それでも申し込みたければ電話して」とメールに書かれていたので、いったいなぜと思いながら、言われた電話番号(イエローストーン国立公園に隣接する、グランドティトン国立公園近くにある事務所のもの)に国際電話をしました。

が、電話で「状況は分かった。申し込みたければメールして」と言われ今度はメールしたところ「電話して」と言われ、…というやり取りが繰り返されました。

 

ここまで特に触れてきませんでしたが、何度か国内外を一人旅しているとはいえ、私は昔から友人たちに笑われるくらい心配性で小心者です。
昔初めて一人でアメリカに旅行で行った際、「アメリカでは白タクに乗ってはいけない」と聞いていたのですが、タクシー乗り場で捕まえたタクシーが白色だったことを乗ってから思い出し、目的地に着くまでがたがた震えていた(「白タク」とは流しのタクシーであり、タクシー乗り場で捕まえれば別に白でも黒でもちゃんとしたタクシーだと、周りに大笑いされました)こともありました。もちろん、正規のタクシーだったので無事に目的地に辿り着けてほっと胸をなでおろしました。

何度もツアー会社にたらい回しにされるうちに、また小心者の心に「不安」の二文字が浮かんで来ます。
更にツアー会社からのメールでは、何度やんわりと訂正しても名前を書き間違えられ(日本人からすると海外の人の名前を覚えるのが難しいように、海外の人からも日本の人の名前を覚えるのは難しいようですがそれにしても)、出発する前から不安に拍車がかかっていきました。

 

が、ふたを開けてみたら、どうもホテルの予約の都合上(サイト上はAvailableになっているものの)、一旦ある程度ツアー日が近付くと、受付を締め切る(close)ということだったようです。いずれにせよ、改めてツアー会社に電話したら快諾していただけました。電話もメールもどちらも対応は明快で早かったです。

申込み後数日して、ツアーの詳細がメールで送られてきました。
メールを読んだ上で分からない点もあったので質問のメールを送ったところ、こちらも迅速にお返事いただけました。
※注意点として、アメリカの現地ツアー会社との交渉のため、全てのやりとりは英語が必須となります。

【2019年イエローストーン紀行※番外編】参加したツアー

今回は、参加したツアーと、旅程やかかった費用をご紹介します。

今回のツアーは、北のガーディナー(公園外)・マンモス・タワールーズヴェルトからラマ―バレー、東の玄関口シルバーゲート・コークシティ(いずれも公園外)に連なるエリアを巡る、いわゆる「アッパーループ」寄りのコースとなっていました。

このコースを選んだ理由としては、ビッグホーンシープに遭遇できる可能性が高いのではないかと考えたためです。特にマンモスのエリアは夏に雌と子供を見かけることが多いため、ひょっとしたら今回雄にも会えるのではないか?と考えました。
なお、Wolf tourと銘打っていることもあり、ツアー参加者の殆どはハイイロオオカミを探しに来ているようでした。(ラマ―バレーはオオカミの観測スポットとして、夏場は大勢の人が観光客が詰めかけます)

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参加したツアー会社:Brushbuck Wildlife Tours (https://brushbucktours.com/
参加したツアー: YELLOWSTONE WINTER WOLF TOUR
旅程: 5泊7日(2019年2月)
かかった費用:合計約40万円
内訳:
-ツアー料金…約18万円
-食費やお土産代など…約3万円
-ガイドさんへのチップ…約2万円
(ツアー会社から、ガイドさんへのチップの目安金額の推奨あり)
-ツアー前後の2泊分のホテル代…約3万円
-往復航空費…約14万円

※予約~実際のツアーまで全て英語です。
※ツアー料金には、3泊の宿泊費と3日分の朝食代、国立公園への入園料及びペットボトルの水やお菓子代が含まれていました。
※ツアーの前後に、それぞれ1泊ずつ自分でホテルを予約するよう、ツアー会社に強く勧められました。ツアー前には時差や現地の気候に慣らすため(また、ツアー開始日の集合が朝7時ということもあり)、ツアー後には予定時間が遅れる可能性があり、飛行機に間に合わないかもしれないためです。

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【2019年イエローストーン紀行②】なぜこの時期に行ったのか

夏のイエローストーンには何度か行ったことがあったのですが、冬は行ったことがありませんでした。

今回、冬に訪れた理由は、

・動物を見やすい季節だから

・この季節にしか見られない動物がいたから
です。

まず1つ目の理由ですが、冬は大地が雪に覆われることもあり、夏に比べて動物を見やすいと聞いていたためです。
2つ目にして最大の理由は、前の記事でも触れた、ビッグホーンシープ(オオツノヒツジ)の雄を見ること。

アーネスト・トムソン・シートン著『シートン動物記』にも描かれているその動物は、幼少期からの憧れの存在でした。
雌や子供・若い雄は夏でも時々目撃できるのですが、年輪を描くように大きな角を持つ雄は目を皿にして探しても今まで会えた試しがありませんでした。それは、雄は冬以外の季節は崖の上など高台にいるためで、冬になると雌同様、比較的観察しやすいところまで下りてくると聞いたため、それが今回の旅行の最大の目的となりました。
(ツアーは複数日程・複数コースあるのですが、最もビッグホーンに会えそうなエリアに当たりをつけて申し込みました)

実際に冬に訪れてみて、「もしかするとイエローストーンは冬のほうが夏よりいいかも?」という思いが浮上しました。
それはずばり、
・動物を多く見られる
・虫や熊に遭遇する心配をしなくていい
・混雑していない
・ホテルなどが安い

という理由からです。

それぞれご紹介していくと、
・動物を多く見られる
草木が生い茂る夏に比べると、冬は大地が雪で覆われるため、「あの白い上を動いている黒い点は何だろう?」と、動物を見つけやすくなります。
また、「オオカミ」に特化して言うと、彼らの子育てがひと段落し、再び繁殖期に向かう2月というのは、比較的見つけやすいというのが通説のようです。(ガイドさん情報)

・虫や熊に遭遇する心配をしなくていい
イエローストーンの夏は、アブやハチがかなり賑やかです。
また、熊は遠方から観察する分には楽しいですが、春から秋にかけて、山道を歩いているときにばったり鉢合わせるのは、時に非常に危険です。
その点、冬は氷点下になることもあり、虫は出てきませんし、熊も冬眠しているため、「突然昆虫や肉食獣に至近距離で遭遇する」というリスクは非常に低くなります。

※一方、草食獣(バイソンやエルクやムース)も、近寄りすぎたり、むやみに刺激したりすると攻撃してくる可能性があるため、どのような動物であれ、適度な距離が必要です。

・混雑していない
イエローストーンが最も賑わうのは、恐らく7~8月でしょうか。
全世界から、世界初の国立公園へ、観光客がやってきます。非常に活気はありますが、レストランはどこも混み合い、野生動物(特にオオカミ)が登場すると、車道も大混雑します。

今回2月という時期のためか、また冬季の道路事情のためか、非常に人が少なかったです。そのため、動物が出てきても車道が過度に渋滞することもなく、また飲食店も混雑で入れないということもありませんでした。

・ホテルなどが安い
上述の通り、夏は世界中から観光客が押しかけてくるため、ホテル料金も高騰します(時期にもよると思いますが、冬の2倍以上になるかと思います)。
冬もスキー客やツアー客でかなりホテルは混むようですが、夏よりは落ち着いています。
※ただ、冬は多くのホテルが閉鎖されるため、泊まれる場所は限定されます。レストラン自体も、園内には殆どなく、ホテル併設のものばかりなので、園内での利用は難しそうです。

【2019年イエローストーン紀行①】寒がりの人間が極寒の地を1人訪れるまで

前回の記事(http://yellow-warbler.com/?p=3263)でも書いたように、2019年初旬にアメリカ・イエローストーンを単独で訪問した際のブログです。

冬のイエローストーンは、場所によっては人の背丈よりも雪が積もり、氷点下20度近くまで冷え込む場所です(時期によってはもっと冷え込むことも)。

なぜ、寒がりの人間がわざわざ寒い時期のイエローストーンに行くに至ったのか?をつらつらと書いていければと思います。

 

始まりは、まだ5歳くらいのときでした。
自宅でテレビを見ていたとき、たまたま海外の野生動物を追うドキュメンタリー番組が放映されていました。茶色くてごつごつした岩肌を、ものともせずに優雅に歩く動物が映し出され、その動物の頭に抱かれている、見事に渦を巻いた角の形を目にしたとき、こんな不思議な生き物がこの世にいるのか、と目を奪われ、 長く長く20年以上続く、恋に落ちました。
それがそもそもアメリカだったのか、何という名前の動物だったのかも今となっては思い出せませんが、それが「大きな角を持つヒツジ」との出会いでした。

 

その後、アーネスト・トムソン・シートン著『シートン動物記』の中で、ビッグホーンシープ(オオツノヒツジ)と巡り合いました。いつかこの、不思議な生き物を実際に見てみたい――漠然とした夢が芽生え、そこから久しく年月が流れました。その後色々な野生動物・野鳥を、長期旅行の度に追いかけてきました。今回の旅の舞台となるアメリカ・イエローストーン国立公園も何度か訪れ、雌や子供のビッグホーンシープは度々見られたものの、未だ立派な角を持つ雄には出会えず、夢は果てしなく、夢のままでした。

 

その後「冬なら雄のビッグホーンも、標高の低い場所に下りてくるから会いやすい」という話を聞き、長いことその夢を温めてきました。イエローストーンの冬は、そうはいっても氷点下で非常に寒く、なおかつ殆ど滞在できる場所がないと聞いていました。寒いのが苦手なこともあり、二の足を踏んでいましたが、待っていても何も始まらないので、長い片思いの答えを得るべく、2019年冬、一人旅することに決めました。

【2019年イエローストーン紀行】はじめに/冬のイエローストーン

2019年初旬、雪の降りしきるアメリカはイエローストーン国立公園を一人で訪問した際の記録です。

気温は氷点下10度~20度程度、現地ツアー会社の野生動物観察ツアーに単独で参加したときのことをまとめる予定です。

一人旅自体は何度かしていますが、今回は寒さに加え、情報がないというのがネックでした。夏のイエローストーンは、日本からも旅行者が多く様々なブログで情報を収集できますが、冬の旅行者は少ないらしく、また冬季期間での日本発のツアー情報も殆ど見つかりませんし、ネット上でも情報が皆無です。いったい何を持っていけばいいのか、どのような雰囲気なのかも分からない状態で、それでもどうしても会いたい動物に会いに行くべく、旅支度を始めました。

備忘録も兼ねて、今後イエローストーンに冬に行かれる方のお役に立てればと、気付いたことや持ち物、参加したツアーの印象などを書いていきます。「冬のイエローストーンに行ってみたいな」と思っている人のお役に立てればとても嬉しいです。